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FUE採取時の一般的問題と解決_第2回(全3回)

皆さんこんにちは。

植毛医の髙平です。

今回は植毛のFUEの2回目です。

表面からは見えませんが、患者さんの毛根や皮毛角(髪の毛が皮膚から生えている角度)の状態は千差万別です。そのため、採取のためのパンチニードルを適切に進入させて採取する高い技術が重要となります。
その一部について、今回と次回に分けてご紹介します。

パンチニードルで移植株をくり抜き採取する際に、効率よく採取出来ている指標の1つが、頭皮から移植株がわずかに浮き上がっている事です。

前回ご紹介した論文では、採取の行程で、医師は定期的に採取がうまくいっているか確認をする必要があるとされており、もちろん長井式植毛でも行っています。

ですが、パンチニードルで皮膚を切る深さが十分ではないときには、「テザリング」や「キャップス」などの問題が生じます。1つずつ解説していきます。

通常のFUEではパンチニードルでくり抜いた後に、専用のピンセット(鑷子)で移植株を引き抜くのですが、
この際に、毛根と皮下組織との結びつきが強いと通常よりも大きな力が必要になる場合があり、これをテザリング(下図)といいます。

このような場合にはパンチニードルをやや深めに進入させる事により、この状態を解決する事ができます。
この結びつきの強弱には個人差がありますが、以前に植毛手術を受けた事がある場合やニキビ、アトピー性皮膚炎など、頭皮に炎症がある場合には、結びつきが強くなる傾向があります。

また、後頭部が圧迫されるコンタクトスポーツを長年していた場合(例;柔道)には、後頭部の表皮がやや硬くなり、この結びつきに影響を与える可能性があります。
そのため、手術前に後頭部のマッサージをお願いしております(詳しくは診察の際にお伝えします)。

次にキャップスです。
パンチニードルでくりぬいたはずの移植株が頭皮に残ったまま、表面の皮膚だけが採取されてしまう場合です。
パンチニードルが前述の「結びつき」を完全に切断していないと、毛根が皮下組織に固定されたままになるため、これが起こります。
この場合にもパンチニードルを進める深さを少し深くすると、この状態は改善します。

次回に続きます。