ドクターブログ
AGAによる薄毛の3つの進行パターンを解説
こんにちは。ヘアー&スキンクリニック新宿院の院長の高平一成です。
患者さんのご質問でとても多いのがAGAのハミルトン分類についてです。
今回はハミルトン分類を使ってAGAによる薄毛の3つの進行パターンについて解説していきます。
AGAによる薄毛の3つの進行パターン
AGA(男性型脱毛症)による薄毛の症状は3つの進行パターンに分けることができます。
- ①ハエギワのM字から始まり前頭部、頭頂部にかけて薄くなっていくパターン
- ②頭頂部から薄くなるパターン
- ③額から平行にハエギワが後退していくパターン
AGAによる薄毛の症状の進行パターンと進行度合いは、ハミルトン分類で説明をすることができます。
AGAによる薄毛の進行パターン①:ハエギワのM字が薄くなる
AGA(男性型脱毛症)による薄毛の進行パターンの中で典型的と言っても良いパターンです。
ハエギワのM字が薄くなっていきます。額のハエギワがM字に見えるのでM字の薄毛(いわゆる「M字ハゲ」)と呼ばれます。
ハミルトン分類ではⅠ~Ⅶ型まで分類され、症状は以下のように進行していきます。
Ⅰ型 | ハエギワのM字が少し薄くなる |
Ⅱ型 | Ⅰ型にハエギワの真ん中の薄毛が加わる |
Ⅲ型 | Ⅱ型に前頭部の薄毛が加わる |
Ⅳ型 | Ⅲ型に頭頂部の薄毛が加わる |
Ⅴ型 | Ⅳ型の薄毛が進行し、頭頂部の頭皮が露出し始める |
Ⅵ型 | Ⅴ型の薄毛が進行し、前頭部から頭頂部まで頭皮が完全に露出する |
Ⅶ型 | Ⅵ型の薄毛が進行し、前頭部から頭頂部まで髪がなくなる |
AGAによる薄毛の進行パターン②:頭頂部から薄くなる
頭頂部から始まる薄毛も、実はハミルトン分類の1型から始まっていますが、ご本人は気付かないことが多いです。
頭頂部のことをバーテックス(vertex)と言います。バーテックスはハミルトン分類ではⅡ型とⅢ型しかありませんが、実はⅠ型はAGAによる薄毛の3つの進行パターンのすべてに共通で、バーテックスもハエギワのM字の薄毛から始まっています。
頭頂部から薄くなるパターンの薄毛はハエギワのM字の薄毛から発症しますが、ハエギワの薄毛の進行がゆっくりになり、代わりに頭頂部の薄毛が進行します。
このパターンの薄毛の方は、大体発症してから2年以内に家族・恋人・親しい第三者が薄毛であることを教えてくれる、というのが典型的な経過です。
AGAによる薄毛の進行パターン③:ハエギワが平行に後退していく
ハエギワの薄毛がM字にならずに平行に後退していくタイプの症状です。
ハエギワを擦ったように薄毛が進行していくのが特徴で、ご本人が薄毛に気付きやすいパターンでもあります。
AGAは突然発症しない・進行しない
来院される患者様で「先生、2週間くらい前に気がついたんだよ」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、その方がハミルトン分類のⅢ型だったり、Ⅳ型だったりすることがあります。
2週間でⅢ型やⅣ型になることはないので、ご本人が気付いたのは2週間前ですが、診察すると薄毛が始まったのは5年前だったというようなことがおこります。
中学生や高校生のころから自分がはげていくことを意識しながら生きている人は多くないと思うので、発症してもすぐには気が付かず、発症から5年くらいたってご本人が気付くということになるのだと思います。
AGAかもしれないと思ったらどうしたらいい?
AGAは進行性の脱毛症ですが、投薬治療や植毛で改善できる可能性の高い脱毛症です。
生え際が薄くなっている・額が広くなった気がする・家族に頭頂部の薄毛を指摘されたなど、薄毛で悩んでいる方はぜひ、専門の医療機関に相談されることをお勧めします。