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植毛手術についてのご質問②~アトピー性皮膚炎でも手術は可能?~

こんにちは。
ヘアー&スキンクリニック新宿院院長の髙平一成です。

患者さんのご質問で植毛手術に関するご質問がとても多くあります。

今回はアトピー性皮膚炎の方の植毛手術について紹介していきます。


アトピー性皮膚炎でも手術は可能?

アトピー性皮膚炎の患者さんの場合、植毛手術は可能ですが稀に制限がある場合があります。

以下にアトピー性皮膚炎の患者さんが植毛手術を受ける場合の制限に関して詳しく説明します。


アトピー性皮膚炎を繰り返した結果頭皮が硬くなり、ドナー採取に影響が出る場合

アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚の炎症と治癒を繰り返すため、肉眼では皮膚に異常がないように見えても、皮膚の中が硬くなっていたり、毛根や毛球、その周辺の組織が塊になってくっついてしまったりしていることがあります。

植毛手術は頭皮が柔らかい状態の方が好ましいのですが、アトピー性皮膚炎の方の場合は皮膚の硬さと髪の毛の硬さが同等か、場合によっては皮膚の方が硬いことがあります。

そうなると、どんなに注意深く採取しても、毛根・毛球を切断するリスクが高くなってしまいます。

このようにアトピー性皮膚炎で炎症を繰り返し頭皮が硬くなってしまっている場合には、ドナー採取率が落ちすぎて植毛手術ができない場合も稀にですがありうるということになります。


アトピー性皮膚炎を繰り返した結果頭皮が硬くなり、移植部位に麻酔薬が入りにくかったり、生着率が落ちたりする可能性がある場合

通常はマイクロブレードで毛穴を作る際には無音ですが、アトピー性皮膚炎の患者さんに毛穴を作るときに、ジャリジャリと音が聞こえるほど頭皮が硬くなっていることがあります。

このように、アトピー性皮膚炎を繰り返すことで、肉眼では見えなくても皮膚が硬くなっていると、麻酔薬が入りにくくなったり、植毛時の生着率が落ちたりする可能性があります。


植毛手術がアトピー性皮膚炎の悪化につながると判断される場合

植毛手術を行うことによってアトピー性皮膚炎の増悪、悪化につながることもあります。

問診時には必ず「アトピー性皮膚炎はありませんか?」「アトピー性皮膚炎が頭皮にはありませんか?」とお伺いしています。
さらに「顔にはありませんか?」とも尋ねます。

患者さんご自身が「ない」と言われた場合でも、マイクロスコープで皮膚の状態を見ると炎症を繰り返している場所はわかります。

その場合は患者さんに詳しくご説明を行い、場合によっては植毛手術をしないほうがいいですよとお伝えすることもあります。